サッカーW杯ロシア大会に出場した日本代表FW大迫勇也(28)の母校・鹿児島城西が、半端ない? 快勝で奄美を下し、初戦を突破した。10安打の猛攻で6-1の勝利。ダイエーなどで活躍し、今年1月に就任した元プロの佐々木誠監督(52)にとっても夏初陣白星となった。

 大迫の活躍をたたえる「大迫半端ないって」のフレーズは一躍脚光を浴びた。学校から「半端ない野球部になれ」と鼓舞され、指揮官も「そう言われるように頑張りたい」と気合で臨んでいた。快勝だったが、声の出しすぎでかすれたといい「1つ勝つのはしんどいですね。自分でやる方が楽」と笑った。

 野球部員は、西野JAPANのコロンビア戦とベルギー戦を寮でテレビ観戦。「サッカー部ばかり注目されて悔しい。夏に挽回したい」と触発されていたという。中でも春から4番の宮脇廉捕手(3年)が、バーベルを床から腰付近まで上げるデッドリフト185キロの「半端ない怪力」で5打数4安打3打点。5回1死一、二塁では、左中間への当たりで「イチかバチかだった」と三塁まで激走。相手守備陣の中継の乱れで、自らも雄たけびを上げながら生還するほどの気迫だった。試合後、スタンドから「宮脇半端ないって」とエール。宮脇は「監督が変わり、甲子園が目標でなく、甲子園の決勝が目標に変わった」と熱かった。

 現役時代、首位打者1度、盗塁王2度、ベストナインに6度輝いた佐々木監督。選手は「インパクトの瞬間、マン振りしろ」と指導され、特に主軸は指揮官の現役時ばりに一本足打法から豪快に踏み込む。本塁打か三振か。半端ない「佐々木打法」で頂点を目指す。【菊川光一】

 ◆佐々木誠(ささき・まこと)1965年(昭40)10月3日、岡山・倉敷市生まれ。84年、水島工からドラフト6位で南海入団。ダイエー、西武、阪神で外野手としてプレー。米独立リーグにも挑戦したが、01年限りで現役引退しダイエーのコーチなどを歴任。14年からソフトバンク3軍打撃コーチ、昨年は3軍監督も務めた。プロ16年間で通算1581試合出場1599安打。タイトルは首位打者1度(92年)盗塁王2度(92、94年)。左投げ左打ち。