昨夏の茨城王者土浦日大が、勝田に7-0の7回コールド勝ちで4回戦進出を決めた。先発した荒井勇人投手(2年)が7回無失点10奪三振、被安打も3と好投。サイドスロー左腕から放たれるスライダーとチェンジアップを中心に勝田打線を翻弄(ほんろう)した。5回までは完全試合のペースで、打者23人をテンポよく抑えた。

 荒井は昨秋の悪夢を忘れない。昨秋の県大会、明秀学園日立との3回戦。先発し、1回裏、4番芳賀大成二塁手(当時2年)を相手に2ストライクと追い込んだ場面。カウントを取ろうと投げたスライダーが甘く入ってしまい打ち込まれた。「決め球とカウントを取る球の投げ分けができなかった」。荒井は1/3回で降板し、チームも0-16でコールド負けした。

 秋の敗戦翌日から、土浦日大グラウンドのスコアボードでは0-16のスコアを再現。ボードを見るたびに「はっきり投げ分けないと」と引き締まった。3月までずっと、ナインはスコアボードを見つめながら練習を積んだ。「今日は、決め球のスライダーがしっかり投げられました」と荒井。小菅勲監督(51)も「まだまだですけど、持ち味の制球力を実力通りに出してくれた」と成長に目を細めた。【戸田月菜】