8連覇を目指す作新学院(栃木)が2つの大会新記録で佐野日大を破り、準決勝進出を決めた。1回1死二、三塁、4番磯一輝主将(3年)の左翼への本塁打で3点を先制すると、5番斎藤陸人外野手(3年)がソロ本塁打で続いた。なおも打者一巡の猛攻で2番の篠田大輔三塁手(3年)が右翼へ3ラン。初回にいきなり3発。栃木大会の新記録となる1イニング3本塁打などで9点を奪い、早々と試合を決めた。篠田は「力を抜いて振った結果が本塁打になった」と冷静に振り返った。

 記録はこれだけでは終わらなかった。4回、篠田が右翼上段席に放り込む2打席連続弾。チーム1試合4本塁打は、これまた大会新記録だ。篠田の父慎也さん(47)は足利工時代にヤクルト石井琢朗打撃コーチとともにプレー。篠田も子供のころ、抱っこしてもらったことがある。「中学生の時とか父から石井さんの打撃理論を教えてもらったことがあります」。打撃の基礎となり、甲子園常連校の中心選手までに成長。2つの県記録を生み出した。

 強豪対決と注目を浴びた一戦も、終わってみれば12安打13得点の猛攻で作新学院が勝利した。8年連続の頂点まで、あと2勝だ。【山川智之】