大分大会は、夏2年連続7度目の甲子園出場を狙う第1シードの明豊が14-7の7回コールドで大分商を下し8強に進んだ。7回に3点差を追いつかれる苦しい展開だった。しかし昨夏甲子園8強の地力で7回裏に一挙7得点。計17安打で粉砕した。次戦は日田三隈を5-2で下した第3シードの日田林工と4強をかけ激突する。

 明豊が伝統の強打で7回コールド8強を決めた。昨夏甲子園で本塁打を放ったプロ注目で高校通算45本塁打の3番・浜田太貴外野手(3年)が4打数2安打3打点でけん引した。

 最大の見せ場はコールド勝利まであと3点で迎えた7回裏2死一、三塁だ。「ビッグイニングを作られるのは嫌なこと。それを相手にやるだけだった」と直球をフルスイング。打球は左中間を切り裂く2点適時二塁打となった。勢いのまま4番・野辺優汰内野手(2年)も左中間適時二塁打で続き、打者10人で1イニング7点と猛爆。夏は15度の甲子園出場を誇る難敵大分商を計17安打で打ち砕いた。

 昨年の甲子園出場メンバーは浜田と管大和主将(3年)の2人しかいない。だが現チームに浜田は「流れに乗ると止まらない。去年以上に後半勝負ができる」と昨年以上の粘りがあるという。この日、春の九州大会で2桁の背番号だった6番・伊谷幸輝内野手(3年)が二塁打3本の4打数3安打3打点の大暴れ。大阪出身のスーパー1年生、2番・布施心海内野手も三塁打1本、二塁打2本で4打数3安打3打点をマークするなど、注目が集まる浜田以外の選手層も厚い。伊谷は「追い越されてもひっくり返せる力がある。先輩の伝統を引き継ぎしっかりやりたい」と打線に胸を張った。

 5回裏1死一、二塁では、管主将が相手捕手の一塁けん制球を顔に受け、口の中を切る負傷で交代した。しかも副将の清水翔吾内野手(3年)もけがで控えの緊急事態だった。だが管の代役を務めた松本正太郎外野手(3年)も7回の出塁で得点にからみ、きっちり仕事を務めた。今夏の明豊には、アクシデントも総合力で乗り越える底力がある。【菊川光一】