南北4校ずつの第1シードで、唯一の公立校の金沢が、貫禄を示して8強に進出した。

 172センチ、74キロの「小さな大エース」田中翔也投手(3年)が、真骨頂の粘りの投球を披露。9回を9安打9三振1死球で1失点に抑えた。7回は2死二、三塁のピンチを迎えたものの、後続を伸びのある直球で2者連続空振り三振に仕留めた。

 炎天下での125球の熱投に「スタミナには自信があって。自分は後半になるにつけて球威が増していくタイプだと思っています。後半の方が良いボールだったかな。春も、星槎(国際湘南)、横浜隼人と連日だったのですが、隼人の後半の方が良い球が行っていました」と、涼しい顔で言ってのけた。春の県大会で強豪私学を撃破したことが、大きな経験となっている。

 2000年以来で、過去最高順位のベスト8進出に、田中翔は「先生はいつも『この学校には伝統がない』と言います。去年もそれを変えられる力があったのですが、負けてしまって。この代で、ベスト8が目標ではないですけど、エイトにきたのは通過点として、こっからの試合が本当の勝負。1戦1戦に全力でいきたいと思います」と、自分たちで金沢の伝統を作ると意気込んだ。