高校野球ファン注目の一戦で、スーパー1年生が輝いた。自身初の石川大会で名門星稜の3番・遊撃を任された内山壮真内野手が、3回の第2打席で強烈なインパクトを残した。1死二塁から相手エースの大谷輝龍(3年)の外角高め直球を振り抜き、打球はライナーで左翼線へ。適時二塁打でリードを3点に広げた。

 「絶対真っすぐがくるなと思っていた。長打を狙って、1本でランナーをかえせるようにと、そういう気持ちで打席に入った。結果ヒットになって打点がついて良かったです」

 星稜中時代には軟式野球で2度の日本一を経験。U15日本代表として、昨年静岡で行われたアジア選手権に捕手として出場。ベストナイン、5試合2発で本塁打王に輝いた。実績を積んで星稜に入ってきた。

 この日の相手、小松大谷と星稜は14年石川大会決勝で対戦。8点を追った9回裏に星稜が一挙9点を奪い、歴史的な大逆転で甲子園行きを決めた。翌15年の同大会準々決勝で再戦。0-3で迎えた9回裏。今度は小松大谷が4点を奪い、サヨナラ勝ちした。

 4年前の夏、小学6年生だった内山はテレビで世紀の一戦を観戦していた。「まわりは因縁と言ってますけど、気にしないでチャレンジャー精神を持ってやっていこうと話していた。あんまり気にせず勝負に勝つことだけを考えてやりました」。冷静に試合に臨み、勝利に大きく貢献した。

 第4打席でも1死三塁から左翼へ犠飛を放ち、さらに1打点をマーク。1年ながらチームの主軸として1安打2打点と活躍した。林和成監督(42)は「(第1打席から)非常に振れていたので、どこかで(結果を)出してくれるかなと。いいところで出してくれました」と喜んだ。石川大会全3試合でスタメン出場を果たし、10打数4安打3打点。ニュースター候補が百万石の地・金沢で躍動した。【古財稜明】