木更津総合の野尻幸輝内野手(3年)東千葉大会2人目のサイクル安打を達成。投げても、先発で6回を投げ、2安打無失点と投打に渡る活躍で3年連続の決勝進出を決めた。

 2回、最初の打席に立つと「積極的に振っていく」と、心に決め初球をフルスイング。打球は高々と上がり右翼スタンド上段へ飛び込んだ。3回には1死から右中間を破る三塁打。5回には遊安打。そして2点追い上げられて迎えた9回表には、無死一塁から右前の適時二塁打を放ちサイクル安打を達成した。相手投手の内角攻めにも屈することなく、「しっかりと振り抜けばヒットにできる。自分を信じてスイングした」と、迷いのないバットが、サイクル安打を生んだ。

「ベンチでサイクル安打と言われるまで気がつかなかった。でも、チームのために打てたことが一番うれしいです」と、笑顔を見せた。

 1年夏から甲子園出場を経験し、今年、最後の夏を迎える。

「しっかりと気の入った野球をすることが目標。4番としてチームを背負って勝利に導きたい」。大記録達成にも、決して浮つくことなく、その目はしっかりと甲子園を見据えていた。

 五島卓道監督(64)は、「もともと能力のある子。今日は特にいいバッティングをしましたね。積極的に振っていましたね。投手としても自分の球を信じて投げてくれていた。信頼していますよ」と、野尻の成長を評価した。