<高校野球北大阪大会:履正社6-3寝屋川>◇25日◇準々決勝◇万博記念公園球場

 府立の進学校、寝屋川の秀才エース藤原涼太(3年)の夏が終わった。「空に飛びたい」と目標を甲子園から大空に切り替えた。今春の府予選、絶対王者の大阪桐蔭を9回2死まで追い詰めた。「もう1回やりたかった」。勝ち上がれば、準決勝で対戦する可能性があったが、履正社の前に道は断たれた。

 兄は京大野球部の風太(ふうた=21)投手。藤原も神大か大阪市立大を志望する。勉強を野球に重ね「全然通用しないと思ってしまったら、絶対に通用しない。難問でもそう。どこか(解決の)穴がないか見つけ出す。(相手の)隙を見つけるところは野球と通じるところがある」。履正社打線の研究は済んでいた。ただ、甲子園まであと3つ。「大阪桐蔭も視野に入れていた。勝ちたいと思い過ぎた」。攻略の糸口は見つけていたが、気負いが計算を狂わせた。

 藤原の夢はパイロットだ。中学生ぐらいから意識したという。大学では機械工学部で飛行機のエンジンを作り、その後、航空大学に進むつもりだ。「空からの景色を見てみたい。外国とかたくさん行ってみたい」と目を輝かせた。「今日から勉強です。平日6時間、土日は14時間勉強します」。藤原は前ではなく、上を向いた。【奥田隼人】