スーパー1年生が100回大会へ乗り込む! 二松学舎大付(東東京)が小山台に6-3で逆転勝ちし、2年連続3度目の甲子園出場を決めた。1点を追う5回、同点としなおも2死満塁で、1年生の山田将義捕手が泥臭い内野安打を放って勝ち越した。U12、U15(軟式)で主将も務めたスーパールーキーが攻守で活躍した。

 気が付くと、山田は先輩の岸川海投手(3年)に抱きついていた。「最高でした!」。経験豊富なスーパー1年生も身震いするほどの大一番だった。「小山台にヒットが出るたびすごく盛り上がった。緊張して。やりづらかった」。右飛でゲームセット。マウンドにできた仲間の輪に飛び込むと、やっと心が解放された。

 培ってきた勝負強さを発揮した。1点を追う5回、振り逃げで同点としなおも2死満塁。「絶対に1点を返そうと思った」。たたきつけた打球は遊撃へ転がった。50メートル走6秒0の足が勝って内野安打に。この日2打点目が勝ち越しとなった。高校デビュー戦となった3回戦(王子総合)から6試合で10打点。「恐怖の8番」として2連覇に貢献した。

 二塁送球1・9秒台を誇る捕手として、先輩2投手をリードし3失点に抑えた。制球の良い大庭颯仁投手(2年)はテンポ良く、2番手で最速146キロの岸川投手は真っすぐで押し、気持ちを乗せた。変化を感じれば臆することなく注意する。山田は「マウンドへ行く時は夢中で、タメ口で話してるかも」と苦笑いする。市原勝人監督(53)も「将来のうちの野球部を背負う選手」と期待を寄せるルーキーだ。

 甲子園で戦いたい相手がいる。軟式U15のチームメートで星稜(石川)の内山壮真捕手(1年)だ。U15で山田は主に外野手として出場した。「今度は自分も捕手として出られると思うので楽しみ。本塁打を打ってみたいけど、とにかくチームが勝てるよう貢献したい」。持ち前の度胸とスキルを100回大会で見せつける。【和田美保】

 ◆山田将義(やまだ・まさよし)2002年(平14)8月26日、東京都生まれ。5歳で野球を始め捕手。14年のU12代表。駿台学園中では東京都夏季選手権大会優勝。完全優勝したU15アジア選手権では主将を務め、昨夏の東東京大会決勝戦では捕手として始球式に参加した。50メートル走6秒0。176センチ、75キロ。右投げ左打ち。

 ◆二松学舎大付 1948年(昭23)創立の私立校。生徒数924人(女子496人)。野球部は58年創部で部員数は64人。主なOBは元ロッテ初芝清(現社会人野球セガサミー監督)広島鈴木誠也、巨人大江竜聖ら。甲子園出場は春5度、夏は3度目。所在地は千代田区九段南2の1の32。本城学校長。

◆Vへの足跡◆

3回戦8-5王子総合

4回戦6-3成立学園

5回戦12-0江戸川

準々決勝11-1堀越

準決勝5-3関東第一

決勝6-3小山台