横浜(南神奈川)が、同校初の神奈川3連覇、18度目の甲子園出場を決めた。鎌倉学園に昨秋の県大会準々決勝8-15の8回コールド負けしてから312日。先発の板川佳矢投手(3年)はキレのある直球と変化球で、7回2/3を被安打9の無四死球、2失点。昨夜、自らも3番手で登板し敗れた昨秋の試合を見返し「やってやろうと強い気持ちになった。全力で抑えて、気がついたら回が進んでいた」。

 鎌倉学園に敗れセンバツを絶たれた後、チームは沈んだ。練習でも声が出ない。「夏いけるのかな」と不安を抱いた斎藤大輝主将(3年)を中心に改革が進んだ。主力が率先してグラウンド整備やライン引きを行った。コミュニケーションを大事にする平田徹監督(35)が寮の風呂に入って、裸の付き合いもした。歯車がかみ合い、夏につながった。

 昨夏の県大会は14本塁打を放ち強打で圧倒した。しかし今大会は4本のみ。一方で盗塁数は22をマーク。犠打や盗塁を選手が判断し「のびのび野球」が浸透。監督は「本塁打がなくても、満足です」と話した。監督の胴上げは行われなかった。板川は「甲子園で、胴上げしたい」斎藤主将は「節目の100回。横浜の名前を歴史に刻みたい」と全国を見据えた。【保坂恭子】

 ◆横浜 1942年(昭17)創立の私立男子校。生徒数723人。野球部は45年創部で、部員数68人(マネジャー3人)。甲子園は春16度、夏は18度目の出場。98年に史上5校目の春夏連覇を達成。所在地は横浜市金沢区能見台通46の1。葛蔵造校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦9-0逗子

3回戦8-2逗子開成

4回戦10-2藤沢清流

準々決勝12-0立花学園

準決勝9-8星槎国際湘南

決勝7-3鎌倉学園