横浜が鎌倉学園を破り、3年連続18度目の夏の甲子園出場を決めた。3回、万波中正外野手(3年)の特大本塁打で、試合の流れを一気に引き寄せた。

 日曜日の決勝戦、満員札止めの横浜スタジアム。左中間最深部の最上段で立ち見をしていた東京都在住の下山亮一さん(38)は打った瞬間に「あ、本塁打だな」と思ったという。「打球がどんどんこっちに来た、ウワッてなって」。直後、頭上の看板で音がした。打球は跳ね返り、妻朋子さん(41)が差していた日傘に弾んだ。

 奇しくも、下山さんは「松坂世代」の鎌倉学園OB。高校時代はテニス部だったが、長田秀一郎(元DeNA)ら好投手を擁し甲子園を期待された同級生のチームを、スタンドで熱く応援していた。「横浜スタジアムに来たのはあの時以来、20年ぶりです。鎌学を応援したくって」。青春を思い出しにやって来た。試合開始1時間前に到着したが、もう球場内はほとんど満員。最上段で応援していたら、ライバル校主砲の特大弾が飛んできた。「高校生でこんなに飛ばすなんて。どれだけ飛ばすんだよ、って感じで」。下山さんは苦笑いしながら、その後も母校を熱く応援していた。

 なお、万波の特大アーチはあと約1メートルが高ければ、場外本塁打になっていた。もし場外まで飛んでいたら、弾道と方向性から推測すると、交通量や歩行者も多い「市庁舎前」のT字路交差点内にボールが跳ねて転がった可能性が高い。