第100回全国高校野球選手権記念大会は、第1日の開会式と1回戦3試合が行われる。

<見どころ>

▽開会式(9:00)

 第100回の記念大会の開会式は皇太子さまも出席予定で、史上最多の56代表校が参加して開幕する。昨夏覇者の花咲徳栄(北埼玉)を先頭に、南から北の順で入場する。第1回大会から地方大会に連続出場のレジェンド校・鳥取西の浜崎主将らが選手を先導する。選手宣誓は近江(滋賀)の中尾雄斗主将が務めるが、どんな文言が飛び出すか宣誓の内容にも注目。

 

▽1回戦

【第1試合(10:30) 藤蔭(大分)-星稜(石川)】

 今大会は元球児による「レジェンド始球式」が行われ、甲子園を沸かせた18人が参加予定。1人目はヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏が登場する。

 星稜時代の松井氏は92年、明徳義塾との2回戦で5打席連続敬遠されるほどの超高校級の打撃でファンを魅了した。「野球の神様」の粋な計らい?か開幕戦は松井氏の母校星稜が出場。先攻なら母校の後輩が打席に立ち、後攻なら後輩捕手が大先輩の球を受ける。

 石川大会決勝で「ゴジラ松井」ばりに1試合4本塁打を放った竹谷主将は「ジャンケンに強い」と胸を張る。普通は勝って後攻を選ぶそうだが、勝った場合にどちらを選ぶか。ジャンケンの行方も、ちょっぴり気になるところだ。

 星稜は石川大会を圧勝した。決勝の金沢学院戦では竹谷が4本塁打、南保が3本塁打するなど同大会の決勝最多となる22-0で大勝した。特に同大会で打率5割6分3厘、15打点、5本塁打の主砲南保が打線をけん引し、チーム打率3割8分3厘、53得点(1試合平均10・6得点)の強力打線の中心的存在。全5試合無失点の投手陣も充実している。成長著しい2年生右腕の奥川はU18日本代表候補に名を連ねる。79年(第61回大会)の「箕島との延長18回」、92年(第74回大会)の「松井の5打席連続敬遠」など数々のドラマに関わっている星稜だが、今年はどんなシナリオが待っているのか。

 28年ぶり2度目の夏となる藤蔭は、粘りの投球のエース市川が軸。40回3分の2を投げ被安打35、13失点だが要所を締めて、5試合で4完投とスタミナは十分だ。打線は全5試合で打率4割7分1厘、5打点、本塁打なしの3番御手洗に注目。藤蔭は90年の夏と95年センバツ大会に過去出場も甲子園での勝利はなし。春夏通じ3度目の聖地で1勝をつかめるか。

◆藤蔭のおもなOB 広島一岡竜司、元中日森章剛

◆星稜のおもなOB 元ヤンキース松井秀喜、日本代表本田圭佑

 

【第2試合(13:00) 済美(愛媛)-中央学院(西千葉)】

 昨夏の甲子園でベスト16入りした済美は、矢野ら経験者も数名残り、試合巧者ぶりを発揮して勝ち上がってきた。エース山口直哉は、愛媛大会5試合で43イニングを投げ、被安打28で8失点。すべて1人で投げきった。打線はチーム打率3割1分8厘と例年の「強打の済美」にしては物足りない数字だが、2番中井の5割4分2厘、山口の5割、4番池内の4割3分8厘と高打率を誇る打者もおり、息をつけない打線に仕上がった。2004年夏の甲子園では福井優也投手(現広島)を擁し準優勝を果たしたが、今夏はどこまで勝ち上がるか。

 中央学院はエースで4番、投打の大黒柱・大谷拓海が軸となる。5月末の練習試合で頭部を負傷し西千葉大会では2試合登板にとどまったが、145キロの速球とカーブ、スライダーのキレには定評がある。大谷がけがの間、2番手西村が成長、地方大会では6試合中4試合に先発し勝利に貢献した。打線は1番宇田が打率5割、2番平野が同4割9厘とリードオフマン2人が得点源となっている。5番池田と7番西村はそれぞれ2本塁打放っており、パンチ力もある。

◆済美のおもなOB 広島福井優也、楽天安楽智大

◆中央学院のおもなOB 元巨人古城茂幸、元ヤクルト押本健彦

 

【第3試合(15:30) 慶応(北神奈川)-中越(新潟)】

 慶応は、北神奈川大会で強豪・東海大相模(準決勝)、桐光学園(決勝)を倒して10年ぶりの夏切符をもぎ取った。今春のセンバツでは逆転負けし、初戦敗退となったが、打撃に磨きをかけて夏に挑んだ。北神奈川大会ではチーム打率3割7分9厘をマーク。同5割7分1厘、8打点の3番下山主将を筆頭に4番広瀬、2番大川、1番宮尾が4割以上の高打率、どこからでも得点できるソツのない打線が強みだ。両左腕、エース生井と渡部が2枚看板。明大・善波達也監督の息子、力捕手が2年生ながら巧みなリードで投手陣を操る。創部130年を誇る「陸の王者」慶応が、1916年以来、102年ぶりとなる深紅の大優勝旗を目指す。

 2年ぶり11度目の出場となった中越にとって、立ちはだかるのが初戦の壁。過去10度出場し9度が初戦敗退。1994年(第76回大会)は2勝している(3回戦敗退)。

 マウンドを預かるエース山本が5試合に登板し42回3分の2を投げ15失点。直球とキレ味鋭い変化球のコンビネーションで投球回を上回る46三振を奪った。新潟産大付戦(準決勝=2失点)、新発田戦(決勝=1点)で完投するなど投球内容も安定してきた。

 打線は強力だ。決勝までの6試合で56得点(1試合平均9・3得点)、決勝でも10点を奪って大勝した。チーム打率は3割9分8厘、4番小鷹が打率5割2分、7番広瀬も同5割とレギュラークラスで5人が4割以上。さらに盗塁11、犠打14と、打つだけではなく、小技を絡めた攻撃にはソツがない。今夏、まずは初戦の壁を破って24年ぶりの甲子園白星ではずみをつけたい。

◆慶応のおもなOB 日本ハム白村明弘、広島加藤拓也

◆中越のおもなOB 元阪急今井雄太郎、ソフトバンク育成渡辺雄大