練習の成果を生かし切れなかった。旭川大高(北北海道)は1点を追うタイブレークの14回裏1死一、二塁から、投手の5番楠茂が二塁併殺打に倒れ敗れた。監督として甲子園1勝目前で届かなかった端場雅治監督(49)は「バントさせるにしても打たせるにしても難しい。タイブレークの怖さというより、高校野球の怖さを感じた」と振り返った。

 昨秋から「延長紅白戦」と名付け、月2回ペースでタイブレークの練習を繰り返してきたが、実らなかった。通常、有利と言われる後攻だったが、微妙な心理状況が勝敗を左右した。最後の打者となった楠茂は「(投手として)自分で取られた1点だったので自分で取り返そうとして、最後は簡単にゴロを打ってしまった。練習ではやってはいけないと分かっていたのに」。長時間にわたる試合の中で、平常心を保つ。通常の試合とはまた異なる精神力が試される結末となった。

 9回裏に追いつき、10回は2死満塁、12回も1死二塁とサヨナラのチャンスをつくったが、決めきれなかった。「取れるところで1点を取れなかったことも響いた」と同監督。流れのあるときに、畳みかけられなかったことも敗因となってしまった。【永野高輔】