下関国際(山口)が創部54年目で、待望の甲子園初勝利を挙げた。5回裏に失策で先制点を許し、8回裏にも勝ち越されたが、7番西山勇輝(3年)の2度の同点適時打で追いつくと、2-2で延長に持ち込み、10回表に3番川上顕寛(3年)の決勝打などで2点を勝ち越した。

 甲子園初出場の昨夏、今春のセンバツとともに初戦負け。投げてMAX147キロ、打って高校通算23発と投打の大黒柱・鶴田克樹(3年)は「甲子園は3回目だし、絶対に負けられないと思って投げました。厳しい戦いを投げ切れて、うれしいです」。この日の最速は146キロ。スライダーを中心に粘り強い投球で、8安打2失点。こん身の127球で完投した。

 8月に就任14年目になる坂原秀尚監督(41)は、浜松晴天主将(3年)からウイニングボールを受け取った。「食らいつく野球ができました。とにかく一生懸命な子どもたちなので、何とか勝たせてあげたかったので」。就任当初は部員が1人になったり、秋の公式戦に部員不足で出場できない年もあった。存続の危機を乗り越え「甲子園1勝は、すごく意味があるんだぞ」と部員に諭し続けた熱血漢は、満面の笑みで最高の瞬間を迎えた。