春夏41度の甲子園出場を誇る東北(宮城)の新監督に、同校OBの富沢清徳氏(51)が就任する方向であることが13日、分かった。同氏は高校時代に主将を務め、横浜(現DeNA)、マリナーズなどで活躍した大魔神こと佐々木主浩氏(50)とバッテリーを組んだ。当時のチームには、阪神で活躍した葛西稔(現スカウト)もおり、85年には春夏連続で甲子園に出場し、ともに8強入りを果たした。その後は立正大に進学し、卒業後は社会人野球の朝日生命でプレー。現役引退後は指導者に転身し、母校立正大のコーチに就任した。09年秋には戦国リーグと称される東都1部で同大初のリーグ優勝に輝いた。その後に行われた明治神宮大会でも優勝し、大学日本一にも貢献していた。

東北は全国有数の野球名門校で、03年夏はダルビッシュ有(現カブス)を擁して準優勝。だが2010年に入ってからは、11年春、16年夏の2度の甲子園出場にとどまっており、ともに初戦敗退。一方のライバル仙台育英は同じ期間に、9度も出場している。第100回大会となった今夏は宿敵と対戦する前に、4回戦で古川工に敗戦。今秋の県大会も準々決勝で古川に敗れ、ともに公立勢に苦杯をなめた。

今秋まで指揮を執っていた我妻敏監督(36)は退任する。富沢氏は在学中に竹田利秋氏(現国学院大総監督)に指導を受けており、原点回帰で名門再建に乗り出す。