盗塁王の遺伝子を継ぐ高松商(香川)・中塚公晴投手(2年)が、神宮デビューを果たした。7回から2番手で登板。最終回に本塁打を許すなど2失点したが、3回3被安打でリードを守り抜いた。「もしかしたら行くかもと言われていてウキウキしていて、マウンドに立ててうれしかったです」と笑顔いっぱいだった。

中塚の父方の大叔父は、PL学園(大阪)から68年に大洋ホエールズに入団した中塚政幸氏(73)。74年に盗塁王も獲得した強肩俊足のバッターだ。中学時代は正月など年に数回会うたび、公園でキャッチボールをしてもらった。野手の中塚氏とは違う投手の道に進んだが「基本的なことを教えてもらいました」と話す。

友達からサインを求めて囲まれる姿も見ており、野球界に残した功績を実感。中塚氏はPL学園時代に甲子園を3度経験。「厳しい上下関係があって、そこでやっていたのはすごいと思います」と尊敬する。

この日は中塚の17歳の誕生日。高松商の応援席からだけでなく、八戸学院光星(青森)側からもバースデーソングのプレゼントをもらい「びっくりしたのと、うれしかったです」。まずは神宮の頂点を目指し、次の目標はは大叔父も踏んだ甲子園のマウンドだ。