新潟県高校野球連盟は全国に先駆けて球数制限を導入する。22日、来年の春季県大会で投手の球数制限を導入することを発表した。この日、新潟市の朱鷺メッセで開催された「NIIGATA野球サミット2018」で、杵鞭(きねむち)義孝・県高野連専務理事(51)が明らかにした。全国の高野連が管轄する公式戦では初の取り組みになる。

<解説>

高校世代であるU18のカテゴリーで球数制限が採用されたのは、9月に行われた第12回U18アジア野球選手権大会(宮崎)からだった。最大105球とし、達した場合は4日間の休息をルール化。50球に達した場合は中1日、さらに球数にかかわらず、4日連続の投球は禁止された。

すでに、ワールド・ベースボール・クラシック、U12やU15でも採用されているが、高校野球での球数制限の実現は難しいといわれていた。部員不足の中で「9人のチームが投手を複数人用意できるのか」「部員をそろえられる強豪校が有利になるのではないか」などが理由に挙げられた。また「球数制限よりもイニング制限の方が現実的」という意見もあった。

日本高野連は故障予防や体の負担軽減を目的に、肩・ひじ検査や今春センバツからタイブレークを実施したが、その点では新潟高野連の取り組みは大きな1歩だといえる。春季大会は甲子園などの全国大会につながらず、思い切ったことができる。球数制限によって故障リスクを抑え、新戦力を試す機会も増えればチーム強化につながり、チーム全体レベルアップした中で夏の大会に臨める。

その一方で、勝敗を左右するルールになる可能性も含まれる。100球であれば5~6回での交代も考えられる。プロ野球でも難しいとされる継投だけに、試合展開が大きく変わる可能性も高まる。新潟から継投巧者のチームが多く輩出されるようになるか。この第1歩から検証を重ね、新たな流れを生み出すことが期待される。【アマ野球担当=久保賢吾】