第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の出場校選考委員会が25日に大阪市内で行われ、福知山成美(京都)が、5年ぶり3度目の出場を決めた。昨秋の近畿大会準々決勝で敗れ微妙な状況にあった。それだけにグラウンドで吉報を伝えられた選手はいっせいに喜びを爆発させた。

珍しいダブル主将制を敷く。新チーム結成時、新主将に2人が名乗りをあげた。岡田健吾二塁手(2年)と小橋翔大投手(2年)。同校では選手間投票で主将を決める。その投票でもほぼ同数。ならばと、井本自宣(さだよし)監督(45)は2人とも主将に任命した。「投手と野手の練習を分けてやるようになり、それぞれのリーダーとして任せることにした」と指揮官は説明。肩書上、正主将の岡田は「2人でチームを作っている」と胸を張る。

もう1人の主将、エース小橋は最速133キロ。スライダーと制球力が武器の技巧派で「球速を上げるのは難しい。打たせてとる」と屈託なく笑う。井本監督も「彼がエースというと、たいてい『えっ』と驚かれる。どこにでもいる投手。それが甲子園で投げられるのだから、すごいじゃないですか」と笑う。

1試合平均の三振は2~3個。だから「24~23のアウトは野手がさばかなあかん。その意識は徹底させてます」と井本監督。守備練習に多くの時間を割き、その中でも常に実戦をイメージさせるという。飛び抜けた「個」はいないが、堅守を軸にしたチーム力で甲子園切符を手にした。

新チーム結成時からの目標がある。岡田主将は「京都代表は甲子園通算199勝。組み合わせで龍谷大平安とどちらが先の試合になるか分からないが、200勝は自分たちが達成したい」と目を輝かせた。この春に目指す夢が広がった。