星稜(石川)奥川恭伸投手(2年)が2日連続の好投でペースを上げてきた。10日、光泉(滋賀)を金沢市の自校グラウンドに迎えて練習試合。9日に今年初登板で3回を投げ、147キロを出していたプロ注目右腕は、この日も先発。3回を2安打無失点に抑えた。1奪三振で、最速は148キロだった。

初回に高めの直球で空振り三振を奪うなど「(ベストの)半分くらい」という調子は前日よりも上がっていた。2回は3者凡退。3回は1死から中前打されたが三ゴロ併殺で切り抜け、捕手の山瀬慎之助主将(2年)とグラブタッチした。

「昨日より指のかかりがよく、直球はずっとよかったです。感触は悪くないので、もうちょっとです」と納得の表情だった。

9日に横浜・及川が151キロを出したという情報も入手しており「何でそんなに出るのか不思議。すごいです」と感心しきり。この日の148キロについては「今日はそれくらい出ているかなという感覚があった。それだけ出ていれば十分。もう少し出る感覚はあるけど、無理はしません。球速で競うのではなく、しっかり『ピッチング』ができるようにしたい」と語った。

また、冬場に練習を繰り返した一塁へのけん制球も多めに入れ「少し課題だったけど、克服できていると感じた」と話した。

この日はNPB2球団が見守っていた。スピードガンを構えていたヤクルト阿部スカウトによると、球速が出にくいタイプの機材だったといい「普通のスピードガンなら150は出ていたでしょう」と直球の威力を認めていた。

光泉の先発は同じくプロ注目で最速144キロ右腕の吉田力聖(りき)投手(2年)だった。この日の最速は141キロ。打席に立った奥川は「いい直球が来ていたし、基本的に低めに決まっていた。甘い球が少なく、スライダーの切れもよかったので、すごくいい投手と思いました」と感想を語った。

好右腕から4回までに6点を奪った星稜は、13-1で快勝した。