注目2年生コンビ、中森と来田がけん引してきた明石商はベスト4で姿を消した。

悔しさをかみしめながら、中森が言葉を紡いだ。「(四死球は)自分が失点するパターン。死球が大きかった。切り替えて投げようとしたが、甘い球を打たれた」。6回まで東邦・石川と0-0の投げ合いを演じた。暗転したのは7回裏。制球が乱れ、1死から四球を許すと、2死後に今度は死球を与えた。走者を背負い、7番吉納に浮いた直球を左中間最深部へたたき込まれた。

来田は敗戦の瞬間を次打者サークルで迎えた。「悔しい。中森が粘り強く投げていたのでチャンスで返さなきゃと」。3打数無安打1死球。第1打席は空振り三振に倒れ「修正できなかった。逆方向の意識があれば」。先頭打者の役目を果たせず、悔いた。

最速147キロをマークした右腕と、春夏通じて初めて1試合で先頭打者アーチ&サヨナラ弾を放ったスラッガー。宿舎で同部屋の2人は、甲子園で2人が放ったホームランボール3つを並べて写真を撮ったという。「この大会が終わりじゃない。夏に向けて課題をつぶす」と中森が言えば、来田も「次の夏、必ず戻ってくる」。大きな爪痕を残し、甲子園を去る。【望月千草】