▽決勝(12:30)

【習志野(千葉)-東邦(愛知)】

習志野は初戦から、粘り強い機動力野球を徹底。準決勝では、重盗で得点するなど小技を絡めスキのない野球を展開。4番の桜井亨佑内野手(2年)が本塁打を放つなど、主軸に当たりも戻ってきた。8番を打つ兼子将太朗捕手(3年)も好調で9番小沢拓海内野手(2年)、そしてケガから復帰し勝利のカギを握る、1番の根本翔吾外野手(3年)につなぐ攻撃パターンも得点につながっている。各打者が追い込まれても三振せずにコンパクトに振り流れを呼び寄せ、3試合連続で逆転勝ちで波に乗る。

準決勝で先発した山内翔太外野手(2年)は、初回こそ3失点したものの、尻上がりで調子をあげ、持ち前の制球力のよさを発揮。6回を5安打6奪三振と好投。守護神でエースの飯塚脩人(3年)が、3イニングで終えたのも好材料だ。

投打にかみ合った習志野が、チームとして、また千葉県勢としても初のセンバツ制覇へ挑む。

◆習志野の主なOB 元中日谷沢健一、元阪神掛布雅之、ヤクルト小川淳司監督、ロッテ福浦和也

平成元年のセンバツ王者・東邦が、平成最後の優勝にも王手をかけた。

4戦すべてに先発してきたエース石川昂弥投手(3年)の安定感が大きい。試合を重ねるごとに要所を締める投球がさえてきた。準決勝では143球を投げた。投手経験が浅いため連投は未知の世界になるが、ゲームメークさえできれば勝機が広がる。

野手陣は河合佑真外野手(3年)が右手に死球を受け、骨折。攻守に機能していただけに痛い。ただ、準決勝では7番に下げられた吉納(よしのう)翼外野手(3年)が値千金の決勝3ラン。打線はまんべんなく調子を上げている。主砲でもある石川に本来の当たりが戻れば、勢いづく。

森田泰弘監督(59)は平成元年の優勝にコーチとして関わっている。決勝翌日の4日に60歳の誕生日を迎える。選手たちは「優勝をプレゼントしたい」と口をそろえ、モチベーションにしている。

優勝すれば、センバツ単独最多の5度目V。また、勝利数もセンバツ単独最多の56勝となる。

◆東邦の主なOB 元巨人山倉和博、中日藤嶋健人、俳優奥田瑛二