鎌倉学園がタイブレークで向上に競り勝ち、夏の第1シードを獲得した。

延長12回表、無死満塁から有馬孝太内野手(2年)が右前適時打で1点を勝ち越すと、磯崎翔太外野手(3年)も中前適時打で続いて1点を追加した。

昨年夏は、南神奈川大会で決勝まで進出し横浜に3-7で敗退。甲子園出場への確かな手応えを感じながら臨んだ秋の大会では、初戦、藤沢翔陵戦で0-8とコールド負け。「一からみんなで作っていこう」と、チームは新たなスタートを切った。

全員で話し合う時間を増やし、1つ1つのプレーを徹底。声出しの練習も始め、全員で声をかけ合うことで、ミスがあっても全員で声をかけあい前を向く。チームの輪が生まれ、粘り強いチームになった。

春の関西遠征では甲子園を訪れ、センバツの東邦-広陵戦を観戦。竹村駿一主将(3年)は「甲子園の雰囲気を確認できて、選手たちの動き、声かけがより実戦に近い形でできるようになった」と手応えを実感。タイブレークに入り緊迫した守備でも、風の動きを選手同士でアドバイスしあい勝利につなげた。

昨年夏からの経験、1つ1つが選手たちの血となり肉となっている。竹内智一監督は「ミスがあっても下を向かず、全員がしっかり地に足をつけてたくましく戦うことができた」と選手たちをたたえた。

「去年を超えると甲子園に行ける、とみんなで言い合っている。昨年の春は、準決勝敗退。次、勝って夏につなげたい」と竹村主将。昨年の屈辱を晴らすために。選手たちの視線の先には甲子園しか見えない。