札幌北陵が競り勝ち、14年夏以来5年ぶりの道大会に、あと2勝とした。7回無死一塁から2番手で登板した左腕、塚田亮貴投手(2年)が3回無安打無失点と好救援。今大会初登板で好投し、勝利に導いた。

高校デビュー戦となった昨夏は、札幌地区初戦の恵庭北戦に2番手で登板。四球を連発し1回持たずに降板した。秋は登板なく初戦敗退。2季ぶりマウンドは、6回裏に勝ち越した直後、出番がきた。走者を背負った状況も「去年は先輩の夏を台無しにしてしまった。今回も最初はびびったが、1死を取って落ち着けた」。最初の打者を四球で出し犠打で1死二、三塁とピンチを招いたが、後続を右飛、二ゴロに打ち取り、流れを引き戻した。

投げた後に上体が極端に沈む独特のフォーム。制球が定まらなかった夏の反省から、冬場に雪上ランニングで下半身を強化。腰回りが安定し、自然と足の踏み込みが深くなっていった。股関節の柔軟性も生かした“前かがみ投法”。大きく踏み込んだ後に腕が後から出てくるため、打者がタイミングを取りにくく、この日は三振ゼロで、内野ゴロと飛球で8つのアウトを取った。「理由は分からないが、なぜか今のフォームが自分に合っている。次はもっと四球を減らせるようにしたい」と前を向いた。

札幌北陵の道大会出場は14年夏の南大会が最後で、1大会2勝以上挙げたのも、その夏以来14季ぶり。OBの兄圭亮さん(20)は16年春夏と連続で初戦敗退しており「兄にできなかった2勝できた。次も目の前の1戦に集中して、この代でまた全道に出たい」と塚田。個性的な左腕を擁し、進撃を続ける。【永野高輔】