2回戦で習志野、準々決勝で国士舘と強豪校を破ってきた山村学園が、東海大相模に延長戦で破れた。

先発した和田朋也投手(3年)は、9回まで7安打されながらも1点に抑える熱投を見せたが、延長10回1死二、三塁からカウントを取りにいった変化球を右中間に運ばれ、力尽きた。

真っすぐとスライダーで強力打線に立ち向かった。「1発のあるチームなので低めに投げた」。7回には無死満塁から1点は許したが、なお2死三塁のピンチは真っすぐで三振に仕留め、逆転を許さなかった。マウンド上で大きくガッツポーズ。気迫を全面に出した力強い投球が続いた。

「相手は中学野球のスター選手ばかり、焦ったら周りも見ているのでダメだと思った」と、東海大相模の強力打線にも気後れせずに投げ込んだ。2回戦、センバツ準優勝の習志野と対戦したときの教訓だった。「怖いという思いしかなかった」と振り返る習志野打線を4回まで1安打無失点に抑えながらも、5回に1失点すると球が高めに、浮き6回にも1失点。そこから「今日は『大丈夫、大丈夫』と自分に言い聞かせながら投げた」と気持ちを切り替え、抑えた。その経験を糧に力投。「今日は集中力を欠かすことなく10回を迎えられた。最後までしっかり腕を振って投げられました」と、敗戦にも大きな収穫を口にした。

岡野泰崇監督は「和田はいつも気にかけないとダメな子。『頑張れ』『見ているぞ』と言わないとダメ。でも、今日はみんなが認める投球をしてくれた。おとこ気を上げましたね」とエースの成長を喜び、和田も「ここで終わりじゃない。夏に向けてのいいステップになりました。1球の大切さを知った。持ち味のコーナーを突く投球の精度をもっと上げたい」と前を向いた。