春季県大会の敗戦から1週間。最速163キロ右腕・大船渡(岩手)の佐々木朗希投手(3年)が25日、夏への再スタートを切った。岩手県内で盛岡商との練習試合に「4番投手」で先発。113球を投げ、2安打10三振の無失点。7-0の快勝で、自身も昨秋の岩手県大会1回戦(盛岡三)以来の完封勝利を飾った。

この日の最速は145キロ止まりも、変化球を自在に操った。前半は変化球を中心に追い込むと、低めのスライダーにチェンジアップ、フォークで三振に。7回以降は打者が早打ちになるのを逆手にとり、キレのある直球と伸びのあるスライダーで打たせて取った。6回、フォークで三振に倒れた橋本瑞穂外野手(3年)は「膝もとに来たと思ったら、バットを振る瞬間には球が消えてビックリした。あんな球、初めて見ました」と舌を巻いた。

夏へ向けてモデルチェンジ中。速球だけじゃない。佐々木の変化球はキレと精度が確実に増している。【保坂淑子】

◆盛岡商・兼田智監督(54=佐々木について)「全力投球じゃなくても、変化球が多彩。速球が来ると迷っていると変化球が来る。あのフォークは振ってしまいますね」

◆阪神葛西スカウト 変化球は厳しいところに高さも、低さも決まっていた。チェンジアップ、カーブ、フォークと良くなっている。アウトローに決まる質のいい真っすぐも健在でした。

◆巨人柏田東日本統括スカウト スライダー、カーブと思い通りに投げている。器用さを感じるし、1球1球レベルが高い。