大船渡の佐々木朗希投手は令和最多の149球で4失点(自責点3)完投した。4番投手で先発し、2回に連打を浴びて3失点。5回にも味方の連続失策で加点を許した。スライダーや100キロに満たないカーブなども多投。4月上旬のU18高校日本代表1次候補合宿でマークした高校生史上最速163キロの速球を封印し、力をセーブしながら相手打線を封じる、夏の連投に備えた予行演習を貫いた。

それでも、要所では新元号となって初の150キロ超えを12球披露した。3回の連続四球後に、この日最速153キロ。6回にもボークを宣告された直後に怒りの? 153キロ。難しい当たりの投ゴロを捕球して本塁で封殺したり、一塁走者をけん制で2度刺すなど、総合力の高さもスカウト陣に示した。

約20キロ程度“減速”させた140キロ台の直球や高めに浮いた変化球を痛打されて被安打9も、毎回の13奪三振。

国保陽平監督(32)も「試合を作る目標は達成してくれた。相手を抑えるために効果的だと判断すれば(160キロの速球も)投げると思います」と及第点を与えた。佐々木にとって、7月11日開幕の岩手大会初戦を万全な状態で迎えることが最優先だ。【鎌田直秀】