「投手王国」兵庫県で注目を浴びる公立校の星がいる。社の最速148キロ右腕の藤本竜輝投手(3年)。昨秋の県大会3回戦、関西学院戦で15奪三振の快投。「関西屈指の好投手」とスカウトから熱視線を浴びる。

幼い頃から憧れてきた、社の背番号1を背負う。自宅は学校のすぐ近くにある。中1の夏、明石トーカロ球場で社と神戸国際大付の準決勝を観戦。社は惜敗したが「社で甲子園に行きたいと思った。公立で甲子園を目指すことに憧れた」。身近な高校が、私立強豪に善戦した姿にほれ込んだ。

先輩がかなえられなかった、同校初の夏の甲子園出場が目標だ。春はケガの影響で、公式戦の登板を回避した。5月に復帰し、6月末の大阪偕星学園との練習試合では、3回1安打無失点。最速タイもマークし「良い仕上がり。150キロを出したい気持ちもあるけど、キレを大切にしたい」。春の悔しさをぶつける準備は整っている。「甲子園に出て、日本一が目標です」。公立の星が、本領発揮の夏にする。