最速144キロを誇るプロ注目左腕、前橋商・井上温大投手(3年)が延長11回を投げ切り、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。

プロ3球団のスカウトが視察する中、162球を投げて、6安打9奪三振3失点(自責2)。5四球、2死球と制球に苦しみながらも、この日の最速142キロを9回に計測するなど尻上がりの投球。延長11回1死満塁で、4番の小松誠也内野手(3年)が左翼線にサヨナラ安打を放つと、歓喜の輪に加わった。

序盤は踏み出す足(右足)がインステップ気味になり、ボールが上ずった。しかし、試合途中に修正した。井上は「真っすぐ踏み出すようにしたら、ボールが指に掛かりだした。終盤はどんどん気持ちが高まっていって、疲れは感じなかった。真っすぐはよかったと思います」。9回以降の3イニングをいずれも3人で退け、味方の援護を待った。

公式戦で完投したのは自身初。注目の左腕は「試合途中で修正して完投したことは自信になります」と笑みを浮かべた。