強豪を追い詰めた。東村山西の185センチ右腕内野大輝投手(3年)は、2度目のシード破りはならなかったが、1つ大きな壁を超えた。

今夏の大会前まで、強豪相手に力を発揮できずにいた。入学当初からAチームの一員として活躍したが、1年夏は明大中野八王子に2-12、2年夏は東海大菅生に0-10と大敗を喫した。

今春は国士舘に1-6と奮闘したが、いずれも本来の投球とは、ほど遠かった。「みんな打たれそうな気がして、ボールでカウントを悪くして甘い球を打たれた」と悔やんだ。

今大会前に「歴代を上回る5回戦進出」と目標を明確にしていた。そのためにはシード校撃破が不可欠だった。そして4回戦、第4シードの片倉に3-2で勝利し、目標の5回戦に駒を進めた。

これまでの経験から、強豪相手にも「初球から真ん中でカウントをとるくらい強気で投げたい」と意気込んでいた。

早実相手に、9回9安打2失点。敗れはしたが「真ん中で勝負できた。打たれてもいいやと思いっきり投げた。(試合を)楽しめた」と語る。晴れやかな表情が、手応えを物語っていた。

初の16強進出に、同校は大いに盛り上がった。試合後、多くの観客に「大輝、おつかれ!」と労われた。 進路は未定だが、野球は続ける予定。「頼りになるピッチャーになりたい」。この夏で一皮むけたエースが、さらに大きくなった姿が見られるだろう。