駿河総合が、創部7年目で初のベスト4進出を果たした。

第5シード静岡商に6-3で快勝。エースで4番の渡辺光投手(3年)が、投げては10安打を浴びながらも3失点完投。打っても7回に貴重な追加点となる適時打を放ち、チームを勝利に導いた。

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駿河総合のエース渡辺は、3点リードの9回2死から連打と四球で満塁のピンチを迎えた。「さすがはシード校。すんなり終わらせてはくれないなと感じました」。1発が出れば逆転の場面で、打席には静岡商の4番藤好悠(はるか)外野手。2球目を中堅方向へ打ち返され、渡辺は「あ、まずい」と感じたというが、中堅手が飛球をつかむ様子を見届けると、安堵(あんど)した様子で仲間と喜びのハイタッチを交わした。

試合前から、強打の相手打線を抑えるイメージを持って臨んだ。「つまらせたり、泳がせたりして相手の打撃をさせないように気をつけました」。内外角のコースを使い分け、慎重な制球を続け、打者を1人ずつ打ち取っていった。直球の最速は130キロ前後。球速がない分、制球で勝負すると覚悟を決めていた。日ごろの練習から、ブルペンで打者を立たせて投球練習。磨いてきたコントロールを大一番で発揮した。

バットでもチームに貢献した。主軸の紅林弘太郎内野手(3年)が4打数1安打と振るわない中、3回にスクイズを成功。6回には、無死一、三塁の好機で左前にダメ押し打。相手エースを引きずり降ろした。「前日と今日(26日)の午前中に対策をしてきた。ショートの頭の上にライナーを打つ意識でやって、結果が出たので良かったです」と白い歯を見せた。

初の甲子園まであと2勝。準決勝では、昨秋の中部地区大会で勝利した島田商と対戦する。「先を見ずに、次の試合に集中します。勝って決勝に行きたい」と渡辺。一戦必勝の覚悟で、伝統校にぶつかっていく決意だ。【河合萌彦】