南部がセンバツ8強の市和歌山を接戦で下し、準決勝進出を決めた。

同点の9回、2死三塁で3番三上貢世内野手(3年)が中越えの決勝適時二塁打。「打った瞬間、越えたと思いました」。7回には中堅の安井康馬外野手(3年)が両足をつって交代するアクシデント。三上は「康馬の分まで頑張ってやろうという、みんなの気持ちでした」と笑顔で決勝打を振り返った。

矢野健太郎監督(39)は劇勝に目を潤ませた。安井が負傷交代した直後、2死二塁のピンチでは代わって入った寒川宣幸外野手(3年)が大飛球をファインプレー。矢野監督は「良く捕ってくれた。あれが勝利の一因」とたたえた。

2強の和歌山において、選手には日頃から「智弁(和歌山)、市立和歌山に勝たないと甲子園はない」と言い聞かせてきた。市和歌山を破り、28日準決勝では智弁和歌山に挑む。昨秋の新人戦では勝利しているが「その時の智弁とは全然違うチームになっている」と警戒。37年ぶり3度目の甲子園出場へ「ここまで来たら細かいことじゃない。なんとか気持ちでいきたい」と全力でぶつかる。