文星芸大付が12安打7得点で青藍泰斗に勝利し、12年ぶり16回目の決勝に進出した。

先発した前田直輝投手(3年)が1回2/3を4失点。2回2死三塁から背番号「1」の饗庭陽生投手(3年)がリリーフし、9回までの7回1/3を9安打2四死球3三振の2失点にまとめ、勝利をたぐり寄せた。

饗庭が「鍵」と話していた青藍泰斗との戦いを制した。「自分が投げた試合は勝たなくてはいけない」。背番号1を背負う意味をそう理解する。「気持ちの強さと制球力が自分の長所」。ピンチの場面でも気持ちで押し切り、雄たけびを上げ、気迫を前面に出した。

「将来はプロ野球選手になる」。自ら夢を打ち明けた。イメージを大切にし、プロ野球選手の投球フォームをまね「独学でここまで来た」という。しかしプロは「あくまで自分の1つの目標であって、理想ではない」と言い切る。

この日の投球には「緊張もほぐれていましたし、よかったです」と充実した笑顔を見せた。甲子園まであと1勝。「勝つために投げる。それだけです」と力強く誓った。【佐藤勝亮】