明石商が9回の鮮やかな逆転劇で2年連続の甲子園出場を決めた。

エース中森俊介投手(2年)が自己最速を更新する149キロ。神戸国際大付の強力打線を1点に封じ完投した。

中森は4強に進んだセンバツ後、なかなか状態が上がらず苦しんでいた。上向きで大会を迎えたとはいえ、準決勝の高砂戦は完全に温存。ここを乗り切り、雨天順延も含めて中3日を空けることができた。狭間善徳監督(55)は「もし神戸国際を抑えられるとしたら中森しかいないと思った」と、全幅の信頼で決戦のマウンドに送った。

初回から飛ばした。中森は「神戸国際は直球に強いので、球速よりも低めに集めていこうと思った。決勝で投げさせていただいたので、気持ちを込めて投げました」。今大会絶好調だった神戸国際大付・松本凌人投手(3年)との投げ合いを制した。

6回に1点を先制され、苦しい展開だった。9回についに松本をとらえた。死球と犠打失策で無死一、二塁。神戸国際大付は2番手に鍵翔太投手(3年)を投入してきたが、来田涼斗外野手(2年)が四球を選び無死満塁の絶好のチャンスになった。

2番の水上桂捕手(3年)が前進守備の内野手を抜く右前打でまず同点。主将の重宮涼内野手(3年)が一塁前にスクイズを決めて勝ち越し、4番の安藤碧外野手(3年)の右越え二塁打で2点を追加。4-1と点差を広げた。

中森は9回裏、右足をつり、3安打を浴びた。2死満塁とされたものの「最後は気持ちでした」。最後は自ら走ってフライをつかんで、笑顔で飛び跳ねた。

1年生だった昨夏と今年のセンバツに続いて3季連続で甲子園に登場する。「今まで通り、頭は冷静にして1つ1つアウトをとりたい」。注目の2年生右腕が甲子園での好投を誓った。