全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園球場)に2年ぶり10度目の出場を決めた日本文理ナインが29日、新潟県庁を訪問。花角英世知事(61)に県大会優勝の報告と甲子園での抱負を話した。続いて新潟市役所に中原八一市長(60)を表敬訪問した。行政の長2人に全国制覇を誓った。

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制服姿の日本文理の甲子園ベンチ入りメンバー18人と高野栞記録員(3年)が県大会優勝メダルをかけ、鈴木崇監督(38)らとともに県庁を訪れた。ナインは花角知事とは初対面。長坂陽主将(3年)は「緊張しました。知事は優しそうだった」と照れ笑いした。

一昨年、甲子園で初戦を突破した先輩たちも甲子園入りする前に訪れた。「こういうところに来られるというのは、甲子園はやはり大きいところ」。長坂主将は改めて新潟県代表の重みを感じた。

もちろん、そこに気後れはない。「新潟県代表として初めて優勝旗を持って帰ることを目標に、1戦1戦、しっかりと戦います」。花角知事の前で堂々と誓った。甲子園入りは31日。県大会優勝翌日の25日から毎日午前中に練習し、調整してきた。鈴木監督は「まずコンディションを整えます」。準備に不安はない。状態をベストに持っていけば、あとはやるだけだ。

花角知事は「素晴らしい成績で優勝し、頼もしいかぎり」と2年ぶり10度目の県制覇を祝福した。そして「持てる力を出し切ってほしい。結果はついてくるもの」と激励した。県大会6試合中5試合が5点差以上で最大3失点。圧倒的な実力に期待をかけた。

知事室のある県庁3階には、09年夏に日本文理が準優勝したときの集合写真が飾ってある。あれから10年。それを見た長坂主将は言った。「まだ2番。初優勝するという気持ちが高まった」。誓いを新たに甲子園に乗り込む。【斎藤慎一郎】

▽日本文理ナインは県庁訪問に続いて訪れた新潟市役所で、中原市長の激励を受けた。日本文理がある新潟市西区出身の中原市長は「(甲子園出場を)うれしく思っています。県大会は圧倒的で見事な戦いでした」と祝福。そして「日頃の練習の成果を十二分に発揮してきてください」と激励した。対戦してみたいチームを尋ねられた長坂主将は「春季北信越大会で敗れた敦賀気比(福井)と対戦したいです」と話した。