全国高校野球選手権(6日開幕、甲子園球場)の組み合わせ抽選が3日、大阪フェスティバルホールで行われた。県代表の日本文理(2年ぶり10度目出場)は第5日(10日)の第1試合で東東京代表の関東第一(3年ぶり8度目出場)と対戦することが決まった。県勢と東京勢の対戦は11年の1回戦、日本文理が日大三に3-14で敗れて以来3度目。前回出場の17年に続く初戦突破へ、ターゲットは定まった。

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長坂陽主将(3年)は迷いなく右手を伸ばした。15番目の抽選順。「直感的につかんだ」という札は大会第5日の第1試合。ステージ上のボードの隣には、先に抽選を終えていた関東第一の校名があった。抽選を行ったステージ上から客席で待つチームメートの様子が見えた。「少し笑っているみたいだった」。対戦相手が決まった安堵(あんど)感が伝わった。

強敵だ。「誰もが知っているチーム。しっかり勉強させていただきます」。鈴木崇監督(38)は言った。ここ3年は行っていないが、関東第一とは遠征時に練習試合をするなど交流がある。今春も日程が合わずに流れたものの、練習試合を計画していた。長坂主将も「強いというイメージ」。15年夏に現楽天の外野手、オコエ瑠偉(22)を擁して4強入りしたときはテレビで観戦していた。

もちろん、気後れはない。エース南隼人投手(3年)は「相手は失点が少ない(6試合で4失点)。投手戦になるので自分が粘り強く投げる」と気を引き締めた。何よりも「まず試合時間に合わせたコンディションづくりをする」と長坂主将。試合開始予定は午前8時。早朝に合わせた調整が重要になる。

実は、この時間の練習が課題として出ていた矢先だった。2日、鳴尾浜臨海野球場で午前8時から練習した。だが体が動かず、緩慢なプレーの連続。宿舎から30分ほどのバス移動で居眠りをする選手がいるなど、緊張感を欠いていた。ナインは鈴木監督から大阪入りして初めてカミナリを落とされた。

長坂主将は「練習に向かう姿勢をしっかりする。それに起床時間をもっと早くしたい」。2日は午前5時起床だったが、これからは試合まで午前4時30分起床を決めた。初戦まで1週間ある。「その間に体を慣らせば大丈夫」(長坂主将)。心身を整え、日本文理ナインは初戦突破、夏甲子園通算10勝目に集中する。【斎藤慎一郎】