第101回全国高校野球選手権(6日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市内で行われた。

北北海道代表の旭川大高は、大会第2日(7日)第3試合で、今秋ドラフト1位候補の奥川恭伸投手(3年)を擁する星稜(石川)と対戦する。今夏甲子園に唯一出場する四天王を、チーム一丸で攻略する。南北海道代表の北照は2回戦から登場し、大会第6日(11日)第3試合で中京学院大中京(岐阜)と対戦する。

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絶好の相手と対戦する。予備抽選1番の旭川大高・持丸泰輝主将が引いたのは6番B。22番目の星稜・山瀬慎之助主将が6番Aを引くと、観客席の選手は一瞬「うわっ」と引いたが、すぐに富田康太三塁手(いずれも3年)が「最高じゃん」と発した。端場雅治監督(50)は「大変なことになった」と苦笑い。持丸は「まじか、という気持ち。でもこれもいい機会。粘っていけばどこかでチャンスが来る」と前を向いた。

菅原礼央遊撃手(3年)は、2日の夜、偶然にも奥川の昨夏甲子園での投球動画を見ていた。「プロ注目の投手とやれるなんて、いい経験になるし、当然勝ちにいく」。菅原は昨夏、持丸とともに延長14回タイブレークでの敗戦を経験している。「去年は悔しい負け方をしたし、あんな経験をしている選手はなかなかいない。緊張した場面で声を掛け合う大切さを学んだ。自分や持丸が中心となって盛り立てていけたら」と意気込んだ。

チームでは昨秋の明治神宮大会決勝で対戦した札幌大谷の選手から聞いた奥川の情報を、共有している。1イニングだけの対戦だったが、中軸3人が三振に倒れた。脇田悠牙中堅手(3年)は「1人だけ格が違ったと聞いた。中軸でもスライダーはなかなか打てないようなので、直球をいかにとらえられるか。試合中にもみんなで情報共有して打ち崩したい」。昨秋日本一の札幌大谷の“アシスト”も受け、難敵を討つ。

持丸は「どんな相手でも、自分たちがやってきた野球を出すことが第一。勝てば当然勢いがつく」。出場49校中2位タイの27犠打を絡め勝ち上がったしぶとい野球で、最強右腕を倒す。【永野高輔】