5季連続出場の智弁和歌山が2回戦に進んだ。昨年8月就任の中谷仁監督(40)は夏の甲子園初出場で初戦を飾った。

監督の愛弟子の東妻純平捕手(3年)だった。

4回2死一、二塁から先制の左前打。同点とされた直後の6回に右中間三塁打で再び勝ち越した。抜群の勝負強さを発揮し、この回3得点で完全に主導権を握った。7回にも3本目の安打を放ち、大量8得点した打線を引っ張った。

守ってはエース池田陽佑投手(3年)を8回1失点の好投に導いた。東妻は「夏の初戦は何があるか分からないので一番難しい。1回戦を突破できてよかった」と笑顔を見せた。

春の近畿大会で智弁学園(奈良)に逆転負け。初めて試合途中でベンチに下げられ、プロ野球阪神などで捕手だった中谷監督の厳しい指導が始まった。「どん底だった」という苦難を乗り越えた最後の夏。中谷監督も「しっかり階段を上ってくれている。まだ途中ですけどね。今日は安心して見ていた」と成長を認める存在になった。

東妻は黒川史陽内野手、西川晋太郎とともに全国で史上10~12人目となる5季連続の甲子園メンバー入り。中谷監督のコーチ就任と同時に入学した現3年生。当時、全員で誓った「日本一」への挑戦。東妻は「勝ちにこだわる。絶対にこの夏に監督を胴上げしたい」と意気込んだ。