仙台育英が24安打20得点で飯山を圧倒し、宮城県勢春夏通算100勝の記念星を飾った。20得点、19点差はいずれも東北勢最多記録。

浦和学院(南埼玉)との昨夏初戦で0-9と敗れて以降、打力強化に重点を置いてきた成果を見せた。

3回に右越え適時三塁打を放ち、5回にも走者一掃の右中間適時三塁打で3安打5打点の大栄は「(昨春就任の)須江(航)先生に1勝をプレゼントできたし、去年も出させていただいた責任として、まず1つ借りは返せた」と安堵(あんど)の表情。ベンチ入り18人中17人が出場し、先発全員安打に加え、5回には1イニング全員得点など記録ずくめの総合力を披露した。

役割徹底が強力打線を築き上げた。打撃練習では選手の個性に応じてA~Eの5段階に振り分け。A班は出塁率を求めて至近距離から際どいコースに投げてもらい、見極めて四球を選ぶ反復。C班は左右投手にしっかり対応し、広角にしっかり打ち分ける技術を身につけてきた。E班は長打を狙って走者をかえすべく、ティー打撃などでボールの下を捉えるなど、極端に特化して個を磨き、組み合わせによって打線のつながりを生んだ。

エース兼三塁手の“二刀流”大栄は「仙台育英は平成最初に準優勝。東北勢として100回やっても開かなかった扉があるので、令和最初こそ優勝したい」。悲願の大旗白河越えに向け、好発進を切った。【鎌田直秀】

◆宮城100勝 47都道府県では24番目、東北勢では初の到達。勝利はすべて甲子園球場で記録した。内訳上位は仙台育英が46勝、東北が42勝と私学2強で計88勝を占める。春夏通算では100勝102敗で、勝率5割にも肉薄する。

◆東北勢初の20得点 選手権、選抜合わせて史上初。過去最多得点は1992年選抜の仙台育英が読谷(沖縄)戦でマークした18得点(スコア○18-10)。夏は34年の秋田中(現秋田)が敦賀商(福井)戦で挙げた17得点(○17-7)。19点差の勝利も96年夏の仙台育英(○16-1神港学園=兵庫)、2011年夏の光星学院(現八戸学院光星=青森、○16-1専大玉名=熊本)の15点差を上回る東北勢最多記録。