沖縄尚学が、今春センバツ準優勝の習志野に惜敗した。同点で迎えた6回1死満塁のフルカウントから、比嘉公也監督(38)がスクイズのサイン。奥原海斗外野手(3年)がしっかり決めて勝ち越した。優勝候補に勝利まであと1歩と迫ったが、1点リードの9回に追いつかれ、延長10回に勝ち越しを許して敗れた。比嘉監督は「勝てた試合だった。選手らに勝たせてあげられず、非常に悔しい」と唇をかみしめた。

采配がズバリと当たっていた。右肩痛から復帰の台湾からの留学生、崔哲■(さい・てつい)外野手(2年)をスタメン起用すると、一時は同点に追いつく適時打を含む3安打の活躍。そして6回には「思い切っていった」というフルカウントからのスクイズ。「練習試合では何回かやっていた。カウント2-2までは打てのサインだった。フルカウントになってストライクを取りにくると思って出した。選手がうまくやってくれた」と奥原をほめた。ただ9回1死一塁で二盗を決められ、失策もあって同点に追いつかれたことに「(盗塁への)注意力をうながすことができなかった。もっと守備力を鍛えないといけない」と悔やんだ。延長10回勝ち越された場面でも、中越えの当たりで二塁走者のスタートが遅れたのに気付くことができす、中継プレーに入った水谷留佳二塁手(3年)が、間に合ったかもしれない本塁ではなく三塁へ送球。「歓声で味方チームの(本塁への)指示が聞こえなかった」。不運も重なり水谷も下を向いた。

比嘉監督は最後までナインの健闘をたたえた。「新チーム発足の時は、まさかこの夏の甲子園に出場できるとは思ってなかった。センバツ準優勝校相手にここまでよく食らいついていったと思います」。試合後は習志野・小林徹監督(57)の元に足を運び、あいさつすると小林監督から手を差し伸べられ、がっちり握手して健闘をたたえ合っていた。【浦田由紀夫】

※■は王ヘンに韋