センバツ準優勝の習志野(千葉)が、夏は2回戦で姿を消した。竹縄俊希主将(3年)は「もっと長い夏を過ごしたかったです」と涙を必死にこらえながら、唇をかんだ。

2回に5失点するも、7回終了までに3-5まで迫った。接戦に強い習志野の本領発揮なるか。しかし竹縄は「いつもと違う雰囲気は、確かに感じていました」と振り返る。「あと1本が出なかった。守備からもう1度リズムを作ろうとしても、それがなかなかできなくて」。8、9回も失点を重ね、追いつけなかった。

劣勢でも下を向かないよう、根本翔吾外野手(3年)とベンチを鼓舞してきた。対外的には竹縄が主将だが、チーム内では竹縄と根本のダブル主将制を敷いてきた。昨年10月の秋季千葉県大会。小林徹監督(57)は「主将の根本への負担が多すぎる」と感じつつ「非常にいい子。主将不適格と捉えられるのは本意じゃない」と悩み、決めた。チーム初のダブル主将制。同大会直後に、竹縄に「根本を助けてやってくれ」と打診し、竹縄も快諾した。

特に役割分担もなく、チームを引っ張ってきた。「上と下で支えていく感じではなく、2人がチームの左右に立って押し出していく。つらくなったら、先頭に立って走っていく」と竹縄。そんな立ち回りで約10カ月、奮闘してきた。

「いま思うと、根本としかダブル主将はやってこれなかったと思う。明るくチームを盛り上げてくれて。感謝の気持ちしかありません」。

小林監督いわく「情緒的」な根本に対し、竹縄は「ロジカル、理路整然」。その通り、竹縄はこの1年を落ち着いて振り返りながらも「2年半のいろいろなことが頭に浮かんでいます。悔しい」。少しだけ視線を上げ、浮かびかけた涙を隠した。【金子真仁】