中京学院大中京が、最速158キロ右腕で大会NO・1投手の奥川恭伸(3年)を擁する星稜に敗れ、準決勝で散った。

今大会3戦連続逆転勝ちをしていた勢いは、奥川に封じられた。7回で2安打。続く寺沢孝多投手(3年)にもノーヒットだった。逆に、星稜には初回から先制点を許すと、3点ビハインドの3回2死満塁で、9番山瀬慎之助捕手(3年)の打球を中堅手がエラーするなど大量失点となった。

準々決勝で逆転満塁弾を放った二刀流・元謙太(げん・けんだい)内野手(2年)は、2回2死一、三塁から登板。投球は1回2安打3失点。打撃も3打数無安打だった。元は「ひどいピッチングだった。疲れもあったかもしれないが、コンディションを整えられなかった。3年生が頑張っている姿を見て、弱音を吐いたらダメだと思ったが、自分が思い描いたボールを投げることができなかった」と涙を流した。奥川については「ピッチングがすばらしかった。手が出なかった」。

寮が同部屋で一番仲が良い先発投手の不後祐将(ふご・ゆうま、3年)には、「来年戻って、しっかりマウンドに上がれ」と声をかけられた。元は「自分が引っ張って戻って来ないといけない。だから、(甲子園の)土は取ってないです」と次の目標に向かって涙を拭いた。