山形県大会が14日に開幕し、11人野球の米沢商が開幕試合を制した。2度追いつく粘りを発揮し、延長10回表に勝ち越し。6-5で山形南に競り勝った。

負け覚悟から接戦を制した。エース右腕・遠藤航希(2年)が計145球で14安打5失点完投。10回裏は1点差に詰め寄られたが、「ガンガン飛ばしてくる人が多かったので怖かった。守備を信じて低めに変化球を集められた」と振り返った。3番打者としても10回表1死から左中間二塁打を放ち、1死満塁から暴投で勝ち越しホームを踏んだ。

打線は1、4回に無安打で得点。安打10本中8本を6回以降に集中させ、今春就任の和田陽監督(32)に県1勝をプレゼントした。初戦敗退の夏から3年生5人が引退。ベンチ入り1年生1人も腰を痛め、実質10人で戦った。7回裏の攻守交代時には、記録員のマネジャー油井希咲頼さん(2年)もベンチ前で守備に就く樋口雄大捕手の準備を手伝うなど、チーム一丸。和田監督は「県大会出場を目標にしてきた。よく踏ん張った」とたたえた。2回戦は夏甲子園出場で地区大会免除の鶴岡東。遠藤は「力を試してみたい」と連投を誓った。【佐々木雄高】