夏甲子園8強の仙台育英が聖和学園を7回コールドの11-2で下し、宿敵・東北との準々決勝(19日)へ駒を進めた。先発の左腕・笹倉世凪(1年)が自らのバットで逆転劇を演じた。

初回立ち上がりは2安打と四球で2死満塁のピンチを招き、内野安打で先制点を許した。「イメージ通りに投げることができなかった」と悔やんだが、打席は絶好調。その裏、1番渡辺旭内野手(1年)の左前打と2番田中祥都内野手(2年)の適時二塁打であっさり追い付くと、無死満塁で笹倉に初打席が回った。「自分で決めるよりも次の打者につなげる意識だった」と逆方向へ痛烈な打球を放ち、左翼手の失策もあって2点を勝ち越し。打者13人で大量9点猛打ショーの一翼を担った。

2回には内角低めの直球を振り抜いて、右翼席に飛び込む高校初アーチ。塁上ではニコリともしなかったが、本塁に帰って仲間の笑顔に表情を崩した。次戦は東北と今年4度目の顔合わせ。春夏決勝は打ち勝ち、今秋の中部地区予選は笹倉がサヨナラ打と、ここまで3戦全勝中。笹倉は「最後まで油断せずに、1勝ずつ積み上げていきたい」と静かに闘志を燃やした。【相沢孔志】