今夏甲子園で2勝を挙げ、旋風を巻き起こした鶴岡東が16-0の5回コールドで米沢商に快勝し、新チーム初公式戦を白星発進した。夏からベンチ入り20人中17人が入れ替わる中、唯一のレギュラー山路将太郎内野手(2年)が先頭打者でけん引。初回表、左中間二塁打から先制ホームを踏み、打者一巡2回を含む先発全員、計15安打の火付け役になった。

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夏の甲子園で強烈なインパクを残した鶴岡東が、新チームでも、その実力を存分に発揮した。この日、17歳の誕生日を迎えた山路が応援席のバースデー・ソングに応えた。初回、先頭打者として二塁打を放ち、その後、相手投手の暴投で先制のホームを踏んだ山路は「誕生日と試合が重なったのは初めて。気持ちがよかった」と笑顔を見せた。打者一巡した2打席目も敵失で出塁し、二盗から2番・野川大輔外野手(2年)の左翼前打で帰還。4回表には左犠飛で1打点も記録した。大の「高校野球マニア」でもある。甲子園の習志野戦では「美爆音に感動しました」と目を輝かせ、3回戦・関東第一戦は「日本一格好良いユニホームだと思う、対戦できてうれしい」と、甲子園を堪能して帰ってきた。山路は「どんな形でも塁に出ることが最優先。夏は先輩たちに甲子園に連れていってもらったので、今度は自分が中心になってセンバツに行きたい」と、経験者としての心意気を示した。

投げては高校公式戦初登板初先発の2年生左腕・宮地快一が縦のスライダーを武器に3回を1安打無失点でゲームメーク。背番号18の宮地は「(登板は)試合前に言われてびっくりしました。浮いてしまうところもあったけれど変化球で打ち取れた。次は完投して背番号1を目指したい」と意欲を見せた。3回表には5番・鈴木喬主将(2年)も左中間に自身初の3点本塁打を放ち、チームをさらに勢いづかせた。

選手16人を起用し、鶴商学園時代の1979年(昭54)春以来21年ぶり2度目のセンバツ出場を目指す佐藤俊監督(48=写真は東北題字)は「秋は不安ですが、やれることをやり切るだけ」と選手たちに全力を出し切ることを求めた。【佐々木雄高】