秋季高校野球県大会は29日、予定していた決勝戦と第3代表決定戦(三条パール金属スタジアム)が雨天中止となり、30日に順延となった。

加茂暁星との第3代表決定戦に臨む巻は球場の屋内練習場で汗を流した。勝てば1985年以来、34年ぶりとなる秋の北信越大会出場に向け、先発する村井孝輔投手(2年)はチーム、関係者の思いを背負って戦う姿勢を強調した。県勢の北信越大会出場枠は3で、決勝進出の新潟産大付と北越はすでに出場を決めている。

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雨が巻・村井の調整を助けた。雨天順延が決まると球場内の屋内練習場ブルペンで20球ほど投げ込んだ。「疲労感がなくなってきている。1日延びたことで、さらにいい状態で(試合を)迎えられる」と明るい表情で話した。

疲労の回復が鍵だった。エース中川智樹(2年)が大会直前に右肩痛を発症し、今大会は野手で出場。背番号7の村井が主戦を任され、勝ちを積み重ねてきた。「自分がやるしかない。責任を感じている」。大会序盤はモチベーションの高さがパフォーマンスにつながった。だが連戦も影響し、4回戦の三条戦ごろから肉体的にも精神的にも疲れを感じ始めていた。

17失点を喫して5回コールドで敗れた28日の準決勝・新潟産大付戦。村井は3番左翼でスタメン出場したが、マウンドに上がることはなかった。「負けてしまったが、肩を休められたことは大きい」と村井。あくまでも狙いは北信越大会出場の切符獲得。仕切り直しとなった今日30日の第3代表決定戦で加茂暁星を破れば、34年ぶりの北信越大会進出となる。

準決勝の敗戦後はスタンドに陣取った。北越・阿部柚士郎投手(2年)が、加茂暁星打線を5安打完封に抑えた投球に見入った。「打者の癖や攻撃パターン、(阿部が)どう打ち取っていくのか参考になった」と加茂暁星打線を抑えるイメージは頭にできた。「女子マネジャーや保護者、OBの思いを背負って戦う」と言う村井は、万全の状態で先発マウンドに立つ。【山岸章利】