札幌日大が帯広農を11-2の7回コールドで下し、準優勝した16年以来3年ぶりの決勝に進出した。

6-2の5回1死満塁で、全道大会初スタメン、背番号14の加藤愛稀主将(2年)が、試合を決定づける中前2点適時打を放った。札幌円山での13日の決勝は、十勝勢として49年帯広(現帯広柏葉)以来70年ぶり決勝進出の白樺学園と対戦する。

スタンドではOBの兄楓季さん(日大4年)が観戦した。高校時代は腰椎分離症などケガが続き、3年から選手を断念し学生コーチとして支えた。加藤は「どんな立場でも献身的に汗を流す兄の姿にあこがれて札幌日大に来た。主将としてプレーだけでなく、気持ちで引っ張っていきたい」。全道初安打プラス2打点、さらに兄に昨秋買ってもらったグラブで、守備でも無失策と攻守で奮闘した。

楓季さんは「自分たちの代は秋全道4強止まりだったので、ぐっときた。でもまだ終わりじゃない。1つ1つ先を目指してほしい」とエールを送った。試合前日、加藤は楓季さんと自宅でくつろいだ。加藤は「兄と楽しくテレビを見ることは貴重なリラックスの時間。一緒に戦ってくれる兄の思いに、甲子園切符をつかんで応えたい」と前を見据えた。【永野高輔】

○札幌日大の森本卓朗監督(38) (長打ゼロ、短打10本でのコールド勝ちに)選手が甘い球をしっかり粘って選んで、打ち返してくれた。