プロ野球ドラフト会議が17日に行われる。静岡県内からプロ志望届を提出した4選手を紹介する連載第3回は、県内最速タイ147キロの直球を誇る知徳・栗田和斗(3年)。投手歴わずか約2年半ながら、プロ球団の注目を集める逸材が運命の日を待つ。

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知徳の栗田は、現在も後輩たちと練習を続けている。遠征にも参加。対戦校に依頼して、試合後に数人の打者相手に実戦形式で投球し、感覚を養っている。ドラフト会議が目前に迫るが「やるべきことは全力でやってきた。結果を待つだけ」と冷静に言った。

今夏は2回戦で、ベスト8に進んだ静岡商に敗れた。「低めの球を振らせることができず、甘くなってしまった。自分の弱さが出た」と振り返った。切れ味鋭い変化球も持つが、現在は直球の質にこだわっている。「強い真っすぐで空振りを取れるようにすれば、自然と他の球種も生きる」と成長に余念がない。

岳陽中時代は捕手。高校入学後、初鹿文彦監督に素質を見いだされて投手へ転向した。1年時から登板機会を得たが、飛躍のきっかけは昨年8月。それまでは自宅から通学していたが、学校近くの寮で生活を始めた。体作りと食事に割く時間が増え、約4カ月間で体重が16キロ増加。比例するように球速も上がり、プロ12球団のスカウトが視察に訪れるまでに成長した。すでに調査書も複数球団から届いている。「まさか投手でプロを目指すとは、高校入学前は考えもしなかった。でも、小さい頃から目標はプロ野球選手。夢をかなえるために志望届を出した」と話した。

理想の投手像は、エンゼルス大谷翔平(25)だ。同じ長身右腕として、腕の使い方や体重移動の方法を参考にしている。栗田は「どんな形であれ、活躍できる投手になりたい」。青写真を描きながら吉報を待つ。【古地真隆】

◆栗田和斗(くりた・かずと)2002年(平14)2月19日、富士市生まれ。小3から野球を始め、中学までは捕手。高校入学を機に投手へ転向。187センチ、90キロ。血液型O。右投げ右打ち。家族は両親、兄、弟。