切り込み隊長が道勢連覇へスイッチを入れる。第50回記念明治神宮野球大会が15日、神宮で開幕する。高校の部に初出場する白樺学園は14日、横須賀市内で実戦形式など約2時間半の練習を行った。全道大会4試合で14打数8安打6打点、打率チームトップ5割7分1厘の1番打者・川波瑛平左翼手(2年)は、16日の国士舘(東京)との初戦に向け「初回の最初の打席から出塁して、チャンスをつくりたい」と意気込んだ。

イメージづくりは万全だ。川波は「先輩のサポートで、いい準備ができた」。7日に関東入りし、11日から3日間は、15年甲子園メンバーで法大の右腕、OB中野祐一郎(4年)が実戦形式の練習に登板。国士舘のエース中西健登(2年)と同じスリークオーターで投げ込んでもらい、東京都大会決勝で帝京を2安打完封した好投手と対峙(たいじ)する感覚を磨いた。中西は186センチ、中野は183センチ。川波は「先輩と背丈が近く、イメージしやすかった」と手応えを口にした。

先頭打者として、走塁のイメージは「侍フェラーリ」のソフトバンク周東から刺激を受けた。関東入り後、宿舎でプレミア12を観戦。その後、動画で何度も、スタートのタイミングを研究した。50メートル6秒1の俊足も、全道大会での盗塁はゼロ。決勝の札幌日大戦で5回に1度試みたが、アウトになっており「神宮で何とか勝負したい。チャンスがあれば周東さんのように三盗も」と足でもかき回す。

OBの兄俊也さん(22)は15年夏の甲子園に川波と同じ1番打者として出場。初戦の下関商戦(山口)は4打数無安打とチャンスをつくれず、チームも延長11回サヨナラ負けを喫した。その試合を甲子園のスタンドで観戦していた川波は「同じ全国の舞台。兄の悔しさも知っている。何とか、1勝をつかみたい」。昨年優勝の札幌大谷も、1番北本壮一朗(3年)が1、2回戦と連続して初回に出塁し流れをつくった。今秋もリードオフマンが気を吐き、寒さが増す北海道に熱い風を届ける。【永野高輔】