明治神宮大会初出場の高崎健康福祉大高崎(関東・群馬)が、初戦倉敷商戦に続く2試合連続のタイブレークの末、明豊(九州・大分)を下し準決勝に進出した。

高崎健康福祉大高崎は10回表から倉敷商戦で145球を投げたエース下慎之介投手(2年)が4番手で登板。無死一、二塁で小川聖太外野手(2年)を空振り三振に仕留め、その後2死満塁とされたが、宮川雄基内野手(2年)の中前へのヒット性の打球を戸沢昴平外野手(2年)が好捕して無失点で切り抜けた。

その裏、高崎健康福祉大高崎は犠打と敬遠で1死満塁。倉敷商戦での延長で決勝の満塁弾を放っている山本遼哉外野手(2年)が、左翼へのサヨナラ犠飛を放ち接戦に終止符を打った。山本は「みんなにラッキーボーイと言われて、もしかして僕は持っているかもしれないなと思っていました。今日も『よし、今日も結果を残してやろう』と思って打席に入りました」と、爽やかに笑った。

試合後の青柳博文監督(45)は「相手は力のあるチーム。接戦なら後攻かなと思っていました」と言い、会心の試合運びに満足した様子。先発の橋本拳太投手(2年)が3回までに4安打で3点を失うと、すぐに継投を選択。3点ビハインドを、持ち前の走塁を背景に、小刻みに加点して8回までに4-4の同点に追いついていた。

最後はエース下に託した青柳監督は「下は145球を投げたが、肩の張りはなかった。延長で下を登板させたのはたまたまです」と、タイブレークを予測しての継投ではなかったと説明した。

これで初出場で準決勝進出を決めた。「走塁は選手の判断に任せています。高校生は不思議。この1週間での目標を決めると、それに向けて取り組む。今はストライクとボールの見極めを考えるように言っています」。ボール球に手を出さない冷静な選球眼が、ここに来て威力を発揮している。