シーズンオフ企画「高校野球NOW」の第5回は、大阪古豪のプロ注目投手にスポットを当てます。

1968年(昭43)に甲子園で全国制覇した興国は、浅利太門投手(2年)に注目です。両投手とも185センチの長身。泉州時代に2度の甲子園出場がある近大泉州は、無名ながら昨春大阪桐蔭を苦しめた中尾純一朗投手(2年)が原石的存在。大阪桐蔭、履正社の大阪2強を脅かす“ナニワのツインタワー”を紹介します。【取材・構成=望月千草】

約半世紀前の夏、甲子園の頂点に立った大阪の名門・興国。古豪復活へ、鍵を握るのが長身エースの浅利だ。上背を生かした角度ある球が武器。1年夏から公式戦の舞台を踏み、チームの柱として活躍してきた。エースとして挑んだ昨秋は府予選3回戦で敗退。まだ全国区ではないが、185センチの長身から投げ下ろす最速140キロの直球と、整ったフォームが備わる好素材だ。すでに複数の球団スカウトが視察している。

負けられない相手が同じ大阪にいる。昨夏全国制覇した履正社のエース、岩崎峻典投手と島野圭太内野手(ともに2年)だ。2人は同じ中学時代からの友人だ。「岩崎が投手を始めたのは自分より遅かったけど、あれだけ活躍しているのはすごく刺激。島野は小中学校が一緒。負けてられないというのはある」。控えめな表情が一転、対抗心をにじませた。「履正社がいて大阪桐蔭もいて。大阪は全国で一番厳しいけど、そこを抑えて甲子園に出れたら格好いい」。打倒2強を目標に戦国大阪の主役を狙う。

◆浅利太門(あさり・たもん)2002年(平14)9月6日生まれ、大阪市出身。堀江小では1年時に西ファイターズで野球を始め、堀江中では軟式野球部に所属。興国では1年夏からベンチ入り。185センチ、78キロ。右投げ右打ち。